あなたに届けたい7つのノンフィクションストーリー ストーリー1
5月7日は世界エイズ孤児デーです
5月1日から始まったPLASがお送りする世界エイズ孤児デーキャンペーン Pieces for Peaceの一話目のエイズ孤児に関するストーリーです。
このお話は、実話に基づいています。
少しでも多くの人が、エイズ孤児に関心を持ち、子どもたちが置かれている状況に目を向けてくださればと思います。
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■もうひとりぼっちじゃない■
私はウガンダの小学校で先生をしている。
私の住むウガンダは、エイズ対策に成功した国の一つとして世界に知られている。
しかし、多くの人がエイズによって亡くなり、
そして多くの子どもたちが遺されている現状がある。
デリック、10歳。
両親をエイズで亡くし、お姉さん夫婦に面倒を見てもらっていた。
それまで学校へ通うこともできなかったが、地域の人がデリックを不憫に思い、去年の夏やっと学校に通うチャンスを得た。
デリックはたくさんの友達が出来て、学校で夢を膨らませていた。
ある朝、目を覚ましたデリックは誰もいないことに気づく。
「おばさん、おはよう。」
「………。」
「おじさん、おはよう!!」
「………。」
家の外を見回してもいない。
何が起こっているのか、
どうして良いのか、
幼いデリックには理解出来なかった。
そこへ近所のおばさんが彼のところへやって来て、こう言った。
「おばちゃんたちは夜中に荷物を抱えてどこかへ行ってしまったよ。」
デリックはその言葉をすぐには理解できなかった。
けれど、ただ再び「ひとりぼっち」になったことだけ理解することができた。
家賃を払っていない家に住むことなど許されるはずがない。
デリックはポケットにあったわずかなお金を片手に、投げ出された。
不安と孤独で傷ついていたデリックは、理解ある近所の人から、空き家とわずかな食料を与えられ生活していた。
一人で過ごす夜は寂しいから早く寝る。
起きても暗かったら目をつぶり続けて明るくなるのを待つ。
そうやって彼は暗く静かな夜と一人戦っていた。
「僕はこのままずっと一人なのかな」
生活する中で足に傷を負ったが治療の仕方が分からない。
「早く治して働かないと、ご飯を食べられなくなっちゃう」
思いついたのは落ちている綿棒で塩を患部に擦り付けること。
どうしていいかわからない。
しかし頼れるのは自分しかない。
「これからは一人で生きていかなきゃいけないんだから」
2週間が経ち、お金は途切れ、痩せ細り、今にも倒れそうなデリックを、やっと発見した。
「もうひとりぼっちじゃない。」
抱きしめた彼の目に、久しく失われていた希望の光をみた瞬間だった。
親がエイズで命を落とし、残された子どものほとんどは孤独や差別と戦い続ける。
泣きたい時に泣き、笑いたい時に笑う。
そんな表情豊かな子ども達の本来の姿を守っていきたい。
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