アフリカに初めて行った、日本の女子高生の物語です。
5月1日から始まったPLASがお送りする世界エイズ孤児デーキャンペーン Pieces for Peaceの三話目のエイズ孤児に関するストーリーです。
このお話は、実話に基づいています。
少しでも多くの人が、エイズ孤児に関心を持ち、子どもたちが置かれている状況に目を向けてくださればと思います。
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今幸せですか?
ある家族に出会った。
お母さん、31歳。
6人の子どもと7人家族で三畳くらいの小さな家に暮らしている。
彼女はエイズにより夫を亡くした。
今は一人で家族を支えている。
お母さんは私が訪問すると3枚の紙を小さなテーブルの上に置いた。
1枚の紙は今年小学校を卒業する一番上の男の子の成績表、
2枚目の紙は中学への推薦書、
最後の一枚は中学へ行くのにかかるお金の明細。
でもこの男の子は中学校へは行けない。お金が無いから。
私はお母さんに2つの質問をした。
「毎日の生活の中で楽しみはなんですか?」
お母さんはこう言った。
「楽しみはありません。息子を中学校に行かせられない。夫が生きていればこの子を中学へ行かせることができるのに・・・。このままだと、息子は将来仕事に就くことができない。 それは親として悔しいことです。だから、楽しみはありません。」
お母さんの前で涙を流すのは失礼だと思った。けど、我慢できなかった。
あたしのお金でこの子が中学に進めるなら、何かしたい、なんとかしたい。
そう思った。
でも、そういうわけにはいかない。
それで解決できる問題じゃない。
だってこの地域にはお金が無くて中学校に進めない子どもが本当にたくさん、山ほどいる。
なんにも出来ない自分に腹が立って、どうしていいかわかんなくて
なんて言っていいかわかんなくて、涙が出た。
それでも、お母さんは私に何度も自分の子どもの話ばかりした。
おんなじ話ばかり何度も何度も。
話をするお母さんに笑顔は無かった。
年の割に体の小さな子ども達はみんな
お母さんの隣にしっかり座って
お母さんの腕をしっかりと掴んでいた。
みんなお母さんが本当に大好きなんだなって、
そう思った。
最後にお母さんは私にこう言った 。
「エイズで夫を亡くしてからこの家には誰も訪ねてきません。
あなたが来てくれて、初めてお客さんが来てくれて本当に嬉しいです。
少しエイズに対する差別が無くなった気がします。
本当にありがとう。」
それまで楽しみがないと言っていたお母さんが
そう言って、少しだけ笑った。
何にもできないと思っていた私だったけれど
「世界はあなたを見捨てていない」って、そう伝えられた気がした。
それがお母さんの心に届いたことがなにより嬉しかった。
お母さんの一言で自分にもできることが分かった気がする。
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